蔵のある風景

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蔵造りとは、いうまでもなく防火の目的をもって建築の壁体を土蔵制としたもので、江戸では享保年間(1716~1735)に時の幕府が防火建築として土蔵造り、塗家造りを奨励したことにはじまる。大火のたびに推し進められた町家の土蔵造り、塗家造り化は、幕藩体制が終り、江戸が東京と名前をかえた後でも続き、一般の町屋における防火建築としての地位をコンクリート造り、モルタル造りにゆずったのは大正12年の関東大震災の後のことである。

 

蔵造りというのは、土蔵にとどまるものではなく、木造りの家をはじめとする日本では、不燃化を図る建築工法として、広く採用されてきた。しかし、現代では洋風建築の割合が増え、防火に関する考え方も進化し、地方都市においても蔵造りの建物を作る方々が減ってきている。

最新の工法を取り入れつつも、蔵のイメージを損なわずに、施主様のご要望に答えた建物をご紹介致します。

蔵にも高断熱・高気密の最新仕様


基本構造は、北海道の標準仕様とされる付加断熱 Q1.0 工法。

蔵としての機能を重視し、外壁と内壁の厚さにも配慮、熱ロスを最小限におさえるとともに、貯蔵物の保存性能には最大限配慮した造りとなっています。

田園風景に違和感なく融け込む蔵のある風景


田園風景の中にどっしりと位置しながらも、なぜか郷愁を感じてしまうのは、そこに日本人が累々とつないできた歴史を感じ取ることが出きるからなのでしょうか?

石垣をイメージした白と黒の格子模様も、周りの風景に不思議と溶け合っていて重厚さが伝わってきます。

蔵は末永い繁栄を後世に受け継ぐ


軒下の屋号はその家の末永い繁栄を願って刻み込んだものと云う。生活に必要なものを大切に維持しようという心が「蔵」という建造物となるのでしょう。

現世代の思いがそのまま次の世代へと伝承できれば素敵ですね。